食の原点にかえる**行く年来る年**

残り数時間で本年ともお別れです。
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季節の移り変わりをあまり感じることのない、今日この頃。
けれども何故か御節を作っていました。
・・まぁ、リクエストがあったからなのですけど(笑
緩慢に過ぎていく時の中、周りは忙しなく正月準備。
でも私は、いつもと変わらず、御節も普段の料理の延長上といった感じ。

それでも黒豆をどう炊こうか、と
さまざまな料理研究家たちのレシピ本を手にとり眺めていたら、
辰巳芳子さんの本の中でこんな言葉に行き会いました。

『今年豆を求めること。重曹や灰アクはまったく用いぬこと』

12月のはじめ頃から、店棚には黒豆が並びはじめました。
それらは11月に収穫し乾燥させたもの。
何も添加しなくても、柔らかく煮えるとのことです。

そういえば3年ほど経った黒豆は重曹入れてもがちがちだったなぁ、などと
昔の失敗を思い出したり。

水につけてから今日まで3日。
辰巳さんのレシピをお手本に、
丁寧にアクをすくい、じっくり甘味を染みこませたのが、この写真の黒豆です。

甘い豆が美味い。

と感じるのは私にしてはとても珍しいこと。
丁寧に、余分なものは何も入れず。

「引き算の料理」という言葉がふとよぎります。
単純なものだけで、本来の旨味を引き出す。
それが、本当においしいと思える人間に、今年なりました。

まぁ、タダの添加物アレルギーと言ってしまえばそれまでですが。

きんとんも作りました。
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これは何のレシピも見ず。
ふかしたサツマイモをマッシャーで潰すと
あら、これだと繊維だらけ。
このままでよかったっけ?

作業中に次の工程を思い出す、というのはよくあること。
濾し器を取り出し、ひたすら濾しました。
味付けをして、甘露煮の栗をいれて。

来年も作るのなら、
甘露煮の栗も秋に作っておこう。。。などと(笑

出来上がったきんとんは、つやこそないですが、
とても滑らかに。

やはり、手をかけただけ、出来もよくなるものですねぇ。
他にもごまめや紅白なます、根菜の肉巻き、こんにゃくなどなど。。
はじめたときには「黒豆」だけ。
のつもりが、あれよあれよと立派な品数に。
(昆布巻きは姑担当)

出来上がってお重に詰めたときは
なにやら一つのことを成し遂げた気にすらなりました。

日本の伝統料理でもある、おせち料理。
シンプルながら、日本料理の原点が詰められているような。

たらたらと作り始めたというのに、
気が引き締まった思いになり、今年最後の日が過ぎようとしています。

皆様におかれましては、どんな往く日、そして年であられたことでしょうか。
来る年が、幸せで充実した年になりますよう、
お祈りいたします。
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by Laurus-nobilis | 2006-12-31 20:27 | 料理

 シンプルに 丁寧に 沁み滋味と豊かに そして何より真っ当に。


by カイエ
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